腰椎分離症の対策

腰椎分離症(ようついぶんりしょう)は、
少年期に激しいスポーツを続けることで腰に負担がかかり、
腰椎(脊椎の腰の部分)の関節の突起間が
疲労骨折で切れてしまった状態から発生する腰痛です。
また、少年期に激しいスポーツをした人が
成人してから発症することもあります。

リレーで走る少年

29:腰椎分離症で腰が痛むとき

腰椎すべり症に発展するおそれも

腰椎分離症は少年に多く見られますが、腰椎が分離しても痛みがない場合もあります。その時は特に問題がないのですが、青年期を過ぎてから痛みが出はじめると、分離部分が癒合しにくくなります。
症状としては背を反らすと痛む、長時間立っていたり同じ姿勢でいると痛むなどが挙げられます。

状態が酷い場合、上の骨(椎骨)が下の骨の傾斜に沿って滑り出る腰椎すべり症に発展するおそれもあります。下肢が痛んだりしびれたりしたら危険です。

ベッドで安静にしている男性

気をつけたいこと…

  • 少年の場合や、痛みが強い場合は安静に
  • 発症して2~3年なら姿勢改善を
  • 慢性期の場合は腹筋・背筋を鍛える運動を

30:腰椎分離症を緩和するために

急性なら安静を

スポーツをしている場合は即中断し、安静にしましょう。すぐに医師の診断を仰ぎます。特に子供・少年の場合は安静にすることで分離部分が癒合されていきます。コルセットなどの装具を装着して姿勢をキープする処置もあります。
痛みが激しい場合は消炎鎮痛薬や筋弛緩剤・神経ブロックを用います。


発症して2~3年なら姿勢改善を

体を捻ったり反ったりしないように気をつけ、医師との相談のもと、経過を注視しつつ、コルセットなどの装具を装着して姿勢を改善していきます。
ただのデスクワークでも腰に負担はかかりますので、時折立ちあがり背中や腰の筋肉の緊張をほぐすようにしましょう。

オススメのコルセット


31:医師に相談しよう

慢性化した場合

医師の指示を仰ぎながら、運動療法を実施して腹筋や背筋を鍛えていきます。ただあてずっぽうに腹筋運動をすればいいというものではありません。不必要な動きで却って腰に負担をかけることがあるためです。
コルセットは付けっ放しではなく、時折はずすようにします。


腰椎分離症の手術

上記の保存療法を試しても効果が見られない場合は、手術という選択肢になります。

ただ、手術をしても再発することもありますので、できることなら症状が悪化する前に保存療法で治癒しておくことが肝要です。

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→ 筋筋膜性腰痛症の対策

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