生活習慣における腰痛対策3

身体を動かす肉体労働に従事していると、
嫌でも腰にも負担がかかります。
腰を酷使せざるを得ない環境で、
少しでもその負担を緩和する方法を見て行きましょう。
また、極端に重いものを運ばなくても
腰痛に悩む主婦も多いものです。
主婦の腰痛のポイントはやはり"家事"でした。

お菓子を作る女性

68:肉体労働者のための腰痛対策

腰にかかる負担の軽減を

重い荷物を持つ・運ぶ仕事などの身体を動かす仕事の場合、従事しているうちに仕事量に身体が慣れてしまい、ついつい無理をしてしまいがちです。自分では普段通りのなんてことない作業だと思っていても、知らず知らずに腰に負担をかけてしまっていることが多々あります。

肉体労働

ぎっくり腰にならないために

重い荷物の上げ下ろしなどで、かかり続けた負担が限度に達したとき、ぎっくり腰に見舞われることがあります。

→ぎっくり腰についてはこちら

また、特に寒い季節は身体がこわばっており、筋肉がじゅうぶんにほぐれてないうちに腰に過度に負担をかければ腰痛一直線です。仕事を始める前にストレッチや準備体操をおこない、身体を慣らしてから着手しましょう。
就業前の朝礼時にラジオ体操をする企業や団体が多いですが、これもしっかり理に適ったことなのです。


正しい持ち上げ姿勢で

正しい持ち上げかた

物を持ち上げるときに、上半身を起こす力と勢いだけで持ち上げるのは禁物。腕だけで持ち上げるとそのままそれは腰への負担となるから。
必ず腰を落とし、膝を曲げた状態から持ち上げます。

そのとき、腰を力点にしようとせず、腹筋と背筋、そして脚の踏ん張る力で持ち上げることが大切です。持ち上げる方向は垂直にし、腰を曲げないようにしましょう。



重いものを軽くする工夫を

できることならば、重い荷物を細分化して軽くしたり、一度に運ぶ量を減らす、台車を積極的に使用するなど、物理的に重さの軽減を図りましょう。

69:高所から下りるときの注意

むやみに飛び下りない

ジャンプは当然NG
▲ジャンプは当然NG

急いでいるからと階段を下りる際に数段飛ばす、踏み台から地面に軽くジャンプする…
このようななにげないわずかな高低差の着地であっても、腰にかかる負担は急激であり大きなものになります。
階段のたった1段や2段と侮らず、足の力だけでしっかりと地面に着地できるよう慎重に下りましょう。

70:主婦のための腰痛対策

知らず知らずに前傾姿勢になっていませんか?

こまごまとした仕事が多い家事ですが、よくよくその動作を見てみると前のめりになって作業することが多いもの。
しかし、これが腰痛の原因となってしまいます。悪化して椎間板ヘルニアになることもよくあるのです。

→椎間板ヘルニアについてはこちら

掃除時の注意

掃除をする女性
▲腰を曲げないように

昔に比べて軽量化された電気掃除機。軽くなったぶん身体への負担が減ったとはいえ、注目すべきは使用時の姿勢です。
前へ前へと進みながら掃除機をかけ、より吸引効果を高めるべく床面に吸入口を密着しようとするためどうしても身体が前のめりになってしまいがち。
この中腰のような屈み姿勢が腰への負担になるのです。

掃除機をかけるときは、腰を曲げないよう意識し、前のめりでも反らすでもない位置を維持します。
掃除機のパイプの長さをちょうどよい位置に調節しましょう。
フロアモップやホウキも同様。やたら柄が短いホウキとチリトリを使ったりなんかしていませんか?

また、片手で掃除機をかけるより両手でかけたほうが腰が安定しますのでオススメです。前に進む推進力の増強にもなります。


洗濯時の注意

物干し竿で干されているシャツ

洗濯物を洗濯機から出して洗濯カゴに入れ、その後カゴから物干し竿に干す際、カゴを床面や地面に置いたりしていませんか?

それでは腰を曲げては伸ばす動きの連続になってしまいます。
台などを設置してその上にカゴを置き、前屈みにならなくても洗濯物を手に取れるように。同時に物干し竿の高さも調整できるのならば、背伸びしなくても良い高さにしましょう。



炊事時の注意

シンクの高さ
▲シンクの高さは
(身長/2)+(5~10cm)

キッチンで前のめりになりやすい作業といえば、包丁で食材をカットするときと、食器を洗う時。要はシンクに向かって立って作業するときです。
不必要なほどに前のめりになって作業すると、その蓄積で腰に負担がかかります。シンクの高さを見直してみましょう。
右図のように(身長cm÷2)+(5~10cm)の数式で適切なシンクの高さを導き出せます。たとえば身長160cmでしたら85~90cmの高さが頃合いとなります。

とはいえ、家を新築したりキッチンをリフォームしないとシンクの高さを変えることはできませんので、シンクが低いと感じられる場合、両足を左右に開いて立つようにします。


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→ 肥満・運動不足な人の腰痛対策

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