
太っている人は腰痛になりやすいって
知っていましたか? 体重が増えるということは、
上半身の体重を支える腰への負担が増すということ。
肥えてから腰が痛むようになったのなら、
腰痛原因に肥満をまず疑うべきです。
ほかにも普段からの運動不足のツケが腰に現れて
腰痛となることも結構多いパターン。
筋力低下は腰痛と隣り合わせだったりします。
立った姿勢で身体を真横から見たときに、耳―肩―股関節―ヒザ―くるぶしまでのライン(重心線)がまっすぐ垂直になっているのが本来正常な姿勢。
しかし、体重が増加して、腹周りなどに脂肪がついてくると、立ち上がって動く時にどうしてもバランスをとるために背中を反らせてしまいがちになります。まっすぐだった重心線がカーブを描く曲線になってしまうのです。
背中を反る姿勢だと、どうしても背骨も反ってしまいます。この歪みが関節に大きな負担をかけることになり、痛みに変わっていきます。
また、体重が増えると上半身の重さも当然増えるわけで、腰にかかる負担ももちろん増すわけです。
それにプラスして背中を反らせることでかかる余計な負担が加われば、実は腰痛にならないほうがおかしいくらいなのです。
腰にかかる負担を軽減する方法はなんといっても、腰にかかる重みを減らすということ。つまり体重を減らすことです。
ダイエットといえば食事制限を想像する人が多いでしょう。
実際、食事内容と量を見直すことは重要です。消費カロリーよりも摂取カロリーのほうが多ければ、当然体重は減りません。
しかし、摂取カロリーを減らせばいいのだとばかりに、炭水化物を一切摂らないダイエットだとか、リンゴだけを食べるダイエットのような同一食品のみに頼るダイエットは厳禁です。
たとえば肉類を食べないダイエットの場合、身体に補充されるタンパク質が大きく減ってしまいます。タンパク質は筋肉をつくる大切な栄養素なので、タンパク質摂取量の低下はそのまま筋力の低下に直結。筋力の低下は腰を支える腹筋や背筋を弱めることになるため、結果的に腰痛が悪化してしまうのです。
ダイエットはあくまでも全体の摂取カロリーを減らしつつ、栄養素にも気を配ることが肝要です。
効果を早く求めず、半年でも1年でも2年でも続けることができる内容であるべきでしょう。
腰を支える腹筋や背筋を鍛え、筋力アップにより腰が耐えられる強度を強くすることで、腰痛を緩和させます。前述のダイエットと並行して実行しましょう。
詳細は次項を参照ください。
年をとると身体を動かすのも億劫になってしまって…なんて言い訳をしていませんか?
年齢とともに老化する身体ですが、老化のペースにあがなわず、そのまま乗っかってしまうと、あれよあれよの間に身体にガタがきてしまいます。
そのひとつの症状が腰痛。
身体を動かさない→筋力が低下する→関節に負担がかかる→腰痛になる→ますます身体が動かなくなる。
この悪循環に陥らないために、適宜身体を動かす必要があるわけですね。
腰痛だけでなく、他のさまざまな不調を回避するためにも、是非とも運動不足は解消しておきましょう。
運動と言っても、ゼエゼエ息絶え絶えの汗だくになりながら激しく動き回ることではありません。急激な運動は却って腰に負担をかけますし、そもそも長期に渡って続けることができません。
腰痛を緩和し、防ぐための運動はいわゆる有酸素運動です。
有酸素運動とは持続的な弱い力を筋肉にかけ続け、体脂肪を燃焼させる運動のこと。
具体的にはウォーキングやストレッチ、ヨガ、水泳などが挙げられます。ただし腰を急激に捻る動作を伴う運動はNGです。ゴルフや平泳ぎ、テニスは腰痛には良くありません。
これらの有酸素運動をワンセット20分以上実施します。しかもたまにするのではなく、できれば毎日、長期に渡って続けることが大切です。
いくつかある有酸素運動のうち、オススメしたいのはスロージョギングです。
スロージョギングとは文字通りゆっくりのジョギング。単にゆっくり走るというレベルではなく、歩くスピードと同じ速さで走ります。
普通のジョギングでは地面に着地するときの衝撃が腰やヒザに大きくかかりますが、ウォーキングではそれがありません。しかし、ウォーキング単体では運動量が少ないため消費できるカロリーが少ないのも事実です。
その点、スロージョギングは、ウォーキングの約1.6倍のカロリーを消費するとされています。もちろんジョギングに較べると低い数値ですが、中高年や運動不足な人、そしてなによりも腰痛を抱える人には最も適している運動法です。
走り方は、背筋を伸ばし、顎は下げず、かかとはいつも上げながら、歩くスピードで走るだけです。
これを1回20分をワンセットとし、2日に1セット、できれば毎日続けることです。
また、ジョギングに較べれば足首やヒザにかかる負担は少ないものの、ジョギングやウォーキングに適した靴を選ぶことも大切です。もしも関節などに違和感を感じたら中断してください。
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