立っているだけ、椅子に腰かけているだけ、
しばらく歩いただけで痛みが走り、起き上がるのも大変な場合、
椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)のおそれがあります。
椎間板の中心にあるゼラチン状の髄核(ずいかく)は
弾力性を失うことで、髄核を包む
線維輪(せんいりん)に亀裂が走り、
髄核が線維輪を突き破ることがあります。
その結果、突き破った髄核が神経を圧迫し、
痛みが発生します。これを椎間板ヘルニアと呼びます。
また、髄核が線維輪を突き破ることなく線維輪ごと膨れ上がり
神経を圧迫する場合もあります。
それぞれ別の対策が必要です。
椎間板ヘルニアは若い人から高齢者まで幅広く見られるものですが、その原因はおおよそ次のタイプに分類されます。
不良姿勢が長期に渡って続いて腰骨に負荷がかかると、椎間板ヘルニアを発症しやすくなります。逆に言えば正しい姿勢を心がけることで椎間板ヘルニアを緩和し、予防できるわけです。
まずは立っているときの正しい姿勢を把握します。
壁に背を向けてまっすぐ立ち、頭・背中・お尻・かかとが全て壁につくようにします。
この姿勢が正しい姿勢です。普段生活する時もこの姿勢を意識してとるようにしましょう。
椅子に座る時は深く腰掛けます。床に座る時は正座か、背もたれに身体を預けるようにします。
オススメはウォーキングです。腰にかかる負担が少なく、手軽に始められる運動であり、腹筋をはじめ全身に良い効能をもたらしてくれます。
ただ漫然と歩くのではなく、前述した正しい姿勢を意識しながら歩きましょう。力んで歩いたり、足を引きずって歩くような歩行はNGです。
また、腰が痛むときは無理に歩かず、安静にしておきます。
普段なにげなくしている呼吸。あなたの呼吸は口呼吸ではありませんか? これを腹式呼吸(ふくしきこきゅう)に切り替えます。
腹式呼吸とは横隔膜を上下させる呼吸法で、文字通り腹を使います。腹を使うということは、腹筋を使うということですので、椎間板ヘルニアを予防するのに役立ちます。
1…椅子に座り、背筋を伸ばして、鼻からゆっくり息を吸い込みます。
へその下あたりに空気を溜めこんでいくイメージを描きながらたっぷりと吸い込みましょう。
2…吸う時の倍の時間をかけてゆっくりと口から息を吐き出します。
おなかがぺっこりとへこむくらいに。
1と2を繰り返し、5分くらい続けます。1日に数回するように心がけましょう。
仕事の合間や電車の中、車の中など暇を見つけては実施すると良いでしょう。
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椎間板ヘルニアの対策2