変形性脊椎症の対策

立ち上がる時や寝返りを打つ時、
起床時などに鈍痛を感じるなら変形性脊椎症かも。
椎間板などの老化が原因で起こる腰痛で
軽症なものは無症状である場合も多数。
しかし慢性化して進行すると疼痛が続きます。
加齢によって椎間板が水分を失い変形してしまったり、
背骨自体に骨棘(こっきょく)と呼ばれる
棘のような突起ができて、
これが脊髄や神経を圧迫して痛むのです。

痛みに涙する女性

42:変形性脊椎症の特徴

軽症なときは無症状であることも

変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)は特に身体の動かし始めに痛みが出やすく、しばらく動いていると痛みが治まって来ることが多いのが特徴です。また無理な姿勢で動作を続けたときにも痛みが出ます。

40代以上、特に高齢になると発症しやすくなり、軽症なときは無症状であることも多くあります。
しかし症状が進むと慢性的に疼痛が現れ、脊柱管が狭くなって脊柱管狭窄症を発症したり、脊椎が部分的にずれた腰椎すべり症となることもあります。女性の場合だと骨粗鬆症を合併することも。

→脊柱管狭窄症についてはこちら

→腰椎分離症(すべり症)についてはこちら

→骨粗鬆症についてはこちら

気をつけたいこと…

  • 食生活に気をつけ、肥満を解消する
  • 姿勢に気をつけ、筋力をつける

43:変形性脊椎症対策の実践

食生活に気をつけ、肥満を解消する

バランスのとれた食事

無症状のときは治療の必要はありませんが、痛みを感じるならばまずはできるところから着実に。
肥満体質であるなら、まずはそれを解消しましょう。太っているとどうしても腰に負担がかかるためです。



姿勢に気をつけ、筋力をつける

運動

腰に負担をかける姿勢を極力とらず、正しい姿勢を心がけます。重い物を持ち上げたり、前かがみの姿勢で作業を続けたりしてはいけません。
姿勢を支える筋力が衰えると症状が出やすいため、筋力をつけることも重要です。特に腹筋を鍛えましょう。
痛みがあるときは運動してはいけません。

→ストレッチの方法はこちら


44:医師に相談しよう

変形性脊椎症かなと思ったら医師に相談

X線(レントゲン)で変形性脊椎症かどうかを判別します。また、脊柱を動かせる範囲やどのように動いたときに痛みが起こるかを調べます。


「痛みを緩和する」保存療法

医師とじっくり相談を

身体から出血させずに治療する治療を保存療法と呼びます。整形外科では変形性脊椎症の治療はおおよそ保存療法から始めます。

まず「痛みを緩和する」ために消炎剤、鎮痛剤、筋弛緩剤を内服します。痛みが激しい場合は神経ブロックを実施することもあります。神経ブロックとは局所麻酔剤を注入し、痛みの伝達を止める手法ですが、血液が凝固しにくい体質だったり、薬剤へのアレルギーや血液疾患がある場合は受けることができません。
また状況によってはコルセットを装着することもあります。



「痛みが出ないようにする」保存療法

低周波治療器
▲画像引用:医療法人石井整形外科

強い痛みが和らいできたら、次に痛みそのものを出なくする治療へ移ります。

ホットパックやマイクロウェーブを使用して患部を温める温熱療法や、電気刺激により筋肉の働きを促す低周波治療がそれです。どちらも筋肉の血流を改善させて、腰痛の緩和につながります。

また、痛みがなかなかとれない場合は、骨盤にベルトをかけて、引っ張ることにより、腰部周辺の筋肉の緊張をとって痛みを緩和する牽引療法が実施される場合もあります。



変形性脊椎症の手術

医師
▲医師としっかり相談しよう

保存療法をおおよそ3カ月以上試しても効果が認められない場合や、背骨の変形によって脊柱管狭窄症を引き起こし強い症状が出ているとき、椎間板ヘルニアや腰椎すべり症を併発したときは手術による解決を狙うことがあります。

→脊柱管狭窄症についてはこちら


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→ 腰椎椎間関節症の対策

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