生活習慣における腰痛対策9

毎日の食事はすぐに身体に影響を及ぼすわけではありません。
しかし、数か月経ち、1年経ちと時間が経過するに従って
その影響は大きく出てきます。
どうせ食べるのならば長い目で見て腰に良い栄養を。
ここではビタミンD・Eについて見て行きましょう。

フライパンを持つ女性

91:腰痛にはビタミンE

老化予防の働きをするビタミンE

酸素の効害

よくいわれる「ビタミンEで若さを維持」とは、どういうことなのでしょう?

実は酸素と大きなかかわりがあります。人間の活動に酸素は欠かせませんが、鉄が酸素と結び付いて酸化鉄(=サビ)になるように、酸素を体内に取り入れることによって脂質と結びついて酸化。過酸化脂質(かさんかししつ)となります。
これは言わば身体のサビです。過酸化脂質は細胞の動きを低下させてしまいます。
この一連の流れを「老化」と定義しています。

家族

ビタミンEは血管や血液に働く

ビタミンEは、酸素に対して大きく働きます。抗酸化作用と呼ばれるもので、活性酸素の解毒作用を保持しています。老化予防とはこのことを指しているのです。

なかでも腰痛に関しては、血管の老化を防ぎ、赤血球や血管などを柔らかくし、毛細血管を広げ、血流を促進する働きがポイントです。
血行が良くなることで、筋肉に溜まった乳酸などの疲労物質を運び出しやすくなります。その結果、腰痛が改善します。ビタミンEはコリをほぐしてくれる栄養素なのです。


92:ビタミンEを摂ろう

意外なところで油に多く含有

ビタミンEが多い食品

たまご

ビタミンEに関しては一日あたり成人で8mgの摂取が推奨されています。
また、過剰摂取も血が固まりにくくなるため、避けましょう。適量を摂取することを心がけます。

手軽に摂取しやすいのは玉子。1個あたり0.7mgのビタミンEが含有されています。玉子はビタミンB12も含まれていますので、1日か2日に1個程度摂取しましょう。
そして量でいえば油に多く含有されています。サフラワー油なら20gで5.4mg、コーン油なら20gで3.4mg、菜種油でも20gあたり3mg摂取可能です。また、パンに塗るマーガリンにも10gあたり1.5mg、マヨネーズにも10gあたり1.4mg含まれています。


野菜と魚はコレで

豆乳

摂取しやすさで言えば豆乳もなかなかイイ感じ。100mlあたり2.2mg含まれています。
野菜ではカボチャだと50gあたり2.3mg。赤ピーマンなら50gあたり2.1mg。アボカドなら50gあたり1.6mg、ニラ50gあたり1.2mg、ほうれんそう50gあたり1.1mg、が主なところ。

魚介ではハマチ100gあたり4.1mg、サーモン100gあたり3.3mg、サバ水煮100gあたり3.2mg、ニシン100gあたり3.1mgなどという具合になっています。


まんべんなく食べれば
無理なく摂取できます

上記に挙げた魚をメインにして油で焼いたり揚げたりし、かぼちゃやほうれんそうを用いた副菜を添え、玉子を1個食べれば一日分はクリア―できます。
ちょっと足りないかなと思った日は、豆乳とチーズでカバーしましょう。チーズは50gにつき0.5mg含有です。

93:腰痛にはビタミンD

骨の形成に必須のビタミンD

万能ビタミンの異名も

女性の腕

ビタミンといえばやはりB群やC、そしてEを思い浮かべる人が多いでしょう。けれども、うっかり見落としがちで、普段それほど意識しないビタミンDこそ、腰痛予防改善に欠かせない必須のビタミンなのです。

骨を作る栄養素であるカルシウム。その働きについては既に述べたとおり、カルシウム不足は骨を弱らせてスカスカにし、骨粗鬆症や骨折を招き、腰痛の原因となってしまいます。
それを防ぐにはカルシウムを摂取するのは当然として、実はそれだけではまだ不足です。摂取したカルシウムを「吸収」せねば、たくさんカルシウムを摂取しても無駄になってしまいます。

カルシウムの吸収を助ける栄養素こそがビタミンDです。カルシウムとビタミンDはセットで摂取。この大原則を覚えておきましょう。


94:ビタミンDを摂ろう

ビタミンDは2種類の摂取法があります

デスクワーカーは注意を

日射し

ビタミンDに関しては成人で一日あたり5μgの摂取が推奨されています。

これは非常に少ない量ですので、結構簡単に一日の推奨量をクリアーすることが可能です。
さらに、ビタミンDは食物からだけでなく、日光に浴びることで体内で合成することもできます。日光に含まれる紫外線(UV-B)を皮膚に浴びると、体内でコレステロールから合成されます。全身の肌を陽に15分晒せば、それだけでクリアーできるほどです。
屋外で働いていたり、屋外に出る時間が長い人は、ビタミンDに関しては何もしなくても良いと言えましょう。

とはいえ、日焼けはシミ・そばかすの原因になりますので、積極的に紫外線を浴びるのは避けたいものです。
また、屋内のデスクワーカーなど、普段から陽を浴びにくい生活をしているならば、やはり食物からの摂取を心がけましょう。

ちなみにビタミンDは過剰摂取も良くありません。高カルシウム血症、腎機能障害、軟組織の石灰化障害などを招くことがありますが、食物摂取では通常起こらず、サプリメントの大量摂取などが主な原因です。


魚を食べよう

サケ

ビタミンDを最も摂取しやすい食材といえば、魚になります。
イワシの丸干し10gあたり5μg、シラス10gあたり4.6μg、サケやニシンだと20gあたり4.4μg。ウナギやサンマでも20gあたり3.8μg含有されています。

言わば、サケの切り身を1切れ(約100g)食べれば、それだけで必要量を大きく上回る値を摂取できます。


野菜・肉などではほぼまったく
摂取できません

ほかにもタマゴ1個あたり2.1μg、きくらげ10gあたり4.4μg、エリンギ、シイタケ、シメジそれぞれ20gあたり0.4μg含有されています。
とはいえ、ビタミンDはそれ以外の野菜などにはほぼまったく含有されていないことから、特に菜食主義者は要注意です。

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