脊柱管狭窄症の対策

高齢者に多い腰痛の症状で、背中を後ろに反らすと痛む場合は
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
のおそれがあります。

脊柱管狭窄症は脊髄の中心にある空間が狭くなり、
空間を通る神経が圧迫されることで痛みや痺れを招く症状です。

疑問を抱く女性

26:脊柱管狭窄症になりやすい人

年のせいだと高をくくらない

脊柱管狭窄症は中・高齢者が多く発症しますが、ときに椎間板ヘルニア、骨粗しょう症や腫瘍によって引き起こされることも。生まれつき脊柱管が狭い先天性の場合もあります。
歩いていると足に痛みや痺れを感じ、歩くのが辛くなる間欠性跛行(かんけつせいはこう)が見られ、休むと回復します。
ただの老化だろうと高を括っていると症状が悪化し、手術を必要とする事態になるおそれもありますので、予防と診断は大切。

前屈みになっている男性

気をつけたいこと…

  • 身体を後ろに反らさない
  • ストレッチで適切な運動

27:正しい姿勢とストレッチ

身体を後ろに反らさない

なによりもまず背中を反らせる姿勢は、症状が出やすくなりますので注意します。立っている時に知らずと背中を反らせている人は、意識してまっすぐ立つようにしましょう。

逆に前屈みになると腰が楽に感じられます。カートや杖を活用してやや前かがみになるような姿勢で歩くと腰への負担が軽減されますし、自転車を利用するのも手です。
しかし、前屈み姿勢をいつでも続けるというのも良くありません。歩く時だけにしましょう。

就寝時の体勢…

寝る時もまた体勢に注意が必要。背中を反らさないようにしなくてはいけません。仰向けで寝ると腰骨が反ってしまいます。仰向けで寝るときは、薄手のクッションや丸めたバスタオルなどをヒザの下に置きます。これによって、反りが小さくなります。

また、腰の痛みがきわめて激しい時は患部を冷やすと効果がある場合があります。

ストレッチで適切な運動

逆に痛みが慢性化しているときは、筋肉を温めるのが有効。筋肉を温めてほぐし、緊張を緩和すれば、骨に負担をかけることもなくなります。

ストレッチ
▲意識して前屈を

そして必要なことは腹筋の増強です。 とはいえ、激しい運動は却って腰に負担になりますので、軽いストレッチを継続してやるようにします。

ストレッチと一言で言ってもいろいろありますが、実践すべきは前屈運動です。ストレッチは無理せず、しかし我慢強く続けて習慣にしてしまうのがベストです。


28:医師に相談しよう

脊柱管狭窄症かなと思ったら医師に相談

病院ではレントゲンやCT、MRIで検査をし、脊柱管に狭窄が起きているかどうかを判断します。

医師とじっくり相談を
▲医師とじっくり相談を

脊柱管狭窄症が認められた場合、軽度であるならば保存療法を導入します。
痛みが続くとき安静を続け、血流改善のための薬物療法、温熱治療、低周波治療のほかコルセットを装着する場合もあります。
また、痛みが激しい場合は神経ブロックを実施することもあります。神経ブロックとは局所麻酔剤を注入し、痛みの伝達を止める手法ですが、血液が凝固しにくい体質だったり、薬剤へのアレルギーや血液疾患がある場合は受けることができません。


脊柱管狭窄症の手術

間欠性跛行の症状が出て、100mの距離を歩けなくなったり、排尿障害などが長い間続く場合は手術の必要性が出てきます。

ただ、手術をしても再発することもありますので、できることなら症状が悪化する前に保存療法で治癒しておくことが肝要です。

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